はじめに:執筆をもっと軽やかに、クリエイティブに
ブログ記事を書いているとき、「ここに図解があれば、もっと伝わるのに」と思う瞬間はありませんか?
これまでは、そこで執筆の手を止め、デザインツールを開き、時間をかけて図形を配置するのが当たり前でした。もちろん、こだわり抜いたデザインには素晴らしい価値があります。
でも、もし「頭の中のアイデアを、チャットに投げるだけで一瞬で図解にしてくれるパートナー」がいたらどうでしょうか?
この記事では、最新のAI、Gemini 3.0 を使って、ブログにそのまま使える図解を生成する方法をご紹介します。
「デザインセンス」も「専門知識」も不要です。作業時間をギュッと短縮して、その分、記事の中身や新しい企画を考える時間に変えてみませんか?
画像生成AIではなく、あえて「SVG」を選ぶ理由
「AIで画像を作る」というと、絵画のような画像を生成するツール(Midjourneyなど)をイメージされるかもしれません。しかし、ブログの図解において、私はGeminiが作るSVG(エスブイジー)という形式を強くおすすめします。
「SVGってなに? 難しそう…」と思われるかもしれませんが、仕組みは単純です。
- 普通の画像(JPGなど): 点の集まり。拡大するとボヤける。
- SVG: 「ここに線を引いて、文字を置いて」という「設計図」のデータ。
この「設計図」で作ることには、ブロガーにとって嬉しい4つのメリットがあります。
1. 文字がくっきり美しい
画像生成AIは日本語の文字入れが苦手なことが多いですが、SVGは文字をデータとして扱うため、画数の多い漢字でも完璧に表示されます。
2. 拡大しても劣化しない
スマホの小さな画面でも、PCの大きなモニターでも、線や文字がボヤけることなく常に鮮明です。
3. 検索エンジンに内容が伝わる(SEO)
Googleなどの検索エンジンは、画像の中に何が描いてあるか読むのが苦手ですが、SVGの中にある文字情報は読み取れます。つまり、図解の中身も検索順位のヒントになる可能性があります。
4. 修正が「会話」で終わる
「背景色を変えたい」「文字を修正したい」といった変更も、チャットで一言伝えるだけ。画像を保存し直す手間がありません。
【実践】Gemini 3.0で図解を作る3ステップ
特別なツールは必要ありません。Geminiのチャット画面があれば準備完了です。
ステップ1:図解にしたいテキストを用意する
執筆中の記事から、「文章だけだと少し複雑かな?」と思う部分をコピーします。要約などはGeminiが得意なので、長文のままで大丈夫です。
ステップ2:魔法のオーダー文を投げる
ここが一番のポイントです。
ただ「図にして」と頼むだけでなく、「スマホで見やすくして」「目の不自由な方にも優しくして」といったプロの気配りを詰め込んだ、「魔法のオーダー文(プロンプト)」をご用意しました。
中身は少し難しそうに見えるかもしれませんが、意味を理解する必要はありません。 そのままコピーして、ご自身のテキストを貼り付けて使ってください。
【コピペ用オーダー文】
あなたはプロのインフォグラフィックデザイナーです。
以下のテキストの内容を整理し、読者の理解を助けるための図解(インフォグラフィック)をSVGコードで作成してください。
【必須要件】
- 形式: SVG
- 安全性: <script>タグや外部リソースの読み込みは絶対に使用しないでください。
- フォント: どのスマホやPCでも見やすく表示できるよう、全ての文字のフォント指定(font-family)には "sans-serif" を使ってください。
- アクセシビリティ: 図の内容を説明する <title> と <desc> タグを必ず入れて、読み上げ機能に対応させてください。
- サイズ設定: スマホでもPCでも綺麗に見えるよう、以下の style 属性を必ず <svg> タグに入れてください。
style="width: 100%; max-width: 600px; height: auto; display: block; margin: 0 auto;"
- デザイン: 背景は透明(記事に馴染ませるため)。配色は [青系/信頼感のある色など] をベースに、見やすい色にしてください。
【図解にするテキスト】
(ここにテキストを貼り付ける)
ステップ3:出てきた「コード」を記事に貼る
Geminiが英語や記号の混じった「コード」を作成したら、右上のコピーボタンを押します。
「えっ、コードなんて触りたくない!」という方も安心してください。貼り付ける場所が決まっています。
WordPress(ブロックエディタ)の場合:
+ボタンを押してブロックを追加。- 検索窓に「HTML」と入力し、「カスタムHTML」を選びます。
- 入力欄に、さきほどコピーしたコードを貼り付けます。
その他のブログの場合:
記事の編集モードを「見たまま編集」から「HTML編集」に切り替えて貼り付けます。
プレビュー画面を見てみてください。あなたの文章が、美しい図解となって表示されているはずです。





さらにクオリティを上げるコツ
一発で完璧な図にならなくても大丈夫です。Geminiは対話ができるAIですので、気になるところがあれば遠慮なく伝えてみましょう。
- 「重要なキーワードを赤色で強調して」
- 「手順の流れがわかるように、下向きの矢印を追加して」
- 「全体的にもう少しポップな色使いにして」
まるで隣にいるデザイナーさんと相談しながら、リアルタイムで図を仕上げていくような新しい体験です。
知っておくと安心なQ&A
最後に、よくある疑問をまとめました。
Q. コードを貼り付けてもうまく表示されません。
一部のブログサービスでは、コードの直接貼り付けが制限されていることがあります。その場合は、以下の方法で「画像ファイル」として保存すれば解決です。
- PCの「メモ帳」などを開いて、コードを貼り付ける。
- 保存する際、ファイル名の最後(拡張子)を「.svg」にする(例:
zukei.svg)。 - いつもの写真と同じように、ブログに画像をアップロードする。
- ※WordPressの方へ:WordPressの初期設定では、セキュリティのためこのファイルのアップロードができない場合があります。その際は、「Safe SVG」というプラグイン(無料)を入れると解決します。
Q. スマホで見ても文字は崩れませんか?
はい、大丈夫です。今回紹介したオーダー文には、iPhone、Android、Windowsなど、見る人の端末に合わせて「一番見やすい文字(ゴシック体)」を自動で選ぶ仕組みが入っています。
Q. 安全性は大丈夫ですか?
はい。今回のオーダー文には「余計なプログラムを入れないで」という指示が含まれています。また、WordPressなどのブログシステム側でも危険なコードは自動的に削除される仕組みになっているため、安心してご利用いただけます。
まとめ:新しい相棒と、ブログをもっと楽しもう
「図解作成」というハードルが下がれば、記事を書くこと自体がもっと楽しくなります。
難しい説明も、Geminiに投げればわかりやすい図にしてくれる。そう思えば、専門的な内容や複雑なトピックにも積極的に挑戦できそうですよね。
Canvaのような高機能なツールでじっくり作り込む楽しさも大切にしつつ、「スピード感を持って伝えたい時」はGeminiに頼る。
そんな使い分けが、これからのブログ運営の新しいスタンダードになるかもしれません。
ぜひ次の記事更新で、Gemini 3.0の実力を試してみてください。きっと、その手軽さとクオリティに驚かれるはずです。