アジア・太平洋地域は、その地理的な多様性と気候条件から、非常にユニークで幅広いコーヒーの風味と特性を持つコーヒーを生産しています。主要な産地ごとにその特徴を解説します。
インドネシア
特徴
- 豊かな風味: 濃厚でスパイシーな風味、土っぽいアロマが特徴。
- 低酸味: 酸味が低く、滑らかな飲み口で知られています。
- 加工方法: ウェットハル(Giling Basah)という独自の加工方法が多く使用され、独特のアーシーな風味を持ちます。
代表的な種類
マンデリンコーヒー:
- 風味: 濃厚でスパイシー、土っぽいアロマ。ダークチョコレートやハーブのノート。
- 栽培地域: スマトラ島北部(アチェ州や北スマトラ州)。
- 加工: ウェットハル加工。
スマトラコーヒー:
- 風味: 濃厚でフルボディ、スパイシーな香り。
- 代表的なブランド: 「リンバン」。
ジャワコーヒー:
- 風味: しっかりとしたボディ、滑らかな酸味。
- 品質: 古くから輸出されており、高品質。
バリコーヒー:
- 風味: フルーティで甘みがあり、高地で栽培されるため独特の風味。
スラウェシコーヒー:
- 風味: 深いコク、バランスの取れた風味。シルキーな口当たりとスパイシーな風味。
- 栽培地域: トラジャ地方。
ベトナム
特徴
- 主要生産品種: 主にロブスタコーヒーを生産。
- 風味: 強い苦味、低酸味が特徴。濃厚な風味でエスプレッソやインスタントコーヒーの原料として使用される。
代表的な種類
ロブスタコーヒー:
- 風味: 強い苦味、低酸味。
- 用途: エスプレッソやインスタントコーヒー。
アラビカコーヒー:
- 風味: フルーティで甘みのある風味。
- 栽培地域: 中部高原地域。
インド
特徴
- 風味: スパイスや花のような香り、滑らかでバランスの取れた風味。
- 主要生産地: カルナータカ州、ケララ州、タミル・ナードゥ州。
代表的な種類
アラビカコーヒー:
- 風味: ミルクチョコレートやナッツのノート。
- 栽培地域: 南インドの高地。
モンスーンコーヒー:
- 加工方法: 豆をモンスーン風に晒すことで独特な風味と低酸味を持つ。
- 風味: スパイシーで滑らか。
パプアニューギニア
特徴
- 風味: フルーティでフローラルな香り、明るい酸味と滑らかなボディ。
- 栽培: 高地で栽培され、小規模農家による手作業が主流。
代表的な種類
アラビカコーヒー:
- 風味: フルーティでフローラルな香り。
- 栽培地域: 高地。
その他の地域
フィリピン、ラオス、タイなどもコーヒー生産を行っており、それぞれの地域でユニークな風味のコーヒーが生産されています。
フィリピン:
- 風味: フルボディで、フルーティな酸味と甘み。
ラオス:
- 風味: チョコレートやスパイスのノート、滑らかな口当たり。
タイ:
- 風味: フルーティで花のような香り、バランスの取れた酸味とボディ。
結論
アジア・太平洋地域のコーヒーは、その多様な風味と特性で、世界中のコーヒー愛好者に楽しまれています。地域ごとの特色を楽しむことで、コーヒーの奥深い世界をさらに広げることができます。