この記事では、ノーコード自動化ツール「n8n」とGoogle Gemini APIを使って、ニュースを自動取得・要約・Google Sheetsに記録する方法を解説します。
プログラミング知識がなくても構築可能で、日々の情報収集やコンテンツ制作の効率を大幅に向上できます。
1. このワークフローでできること
- 指定キーワードの最新ニュースを自動取得
- Gemini APIで記事を自動要約(日本語・英語対応)
- Google Sheetsに整理・記録して管理
2. 事前準備
2-1. Gemini APIキーの取得
- Google AI Studioにログイン
- 「API Keys」から「Create API Key」を選択
- 生成されたAPIキーを控える
⚠ 利用可能なモデルはAPIのmodelsエンドポイントで確認してください。記事例のgemini-2.5-flashが常に利用可能とは限りません。
2-2. News APIキーの取得
- News APIに登録
- APIキーを取得
⚠ 日本語ニュースを取得したい場合は、環境変数NEWS_LANGUAGE=jaを設定してください。英語ニュースの場合はNEWS_LANGUAGE=enです。
2-3. Google Sheetsの準備
- シート1:検索キーワード管理| 検索ID | キーワード | 取得要否 |
- シート2:ニュース記録用| 日付 | キーワード | 記事タイトル | 要約 | URL |
💡 キーワードをスプレッドシートで管理すると、後から追加・削除が簡単にでき、ワークフローを柔軟に運用可能です。
3. n8nノード設定一覧
3-1. Schedule Trigger ノード
設定項目 | 値 |
---|---|
Frequency | Every Day 9:00 |
Timezone | Asia/Tokyo |
補足解説
- 「Advanced Options」をクリックするとTimezone設定が表示されます。
- 日本時間でワークフローを実行する場合はAsia/Tokyoを選択してください。
3-2. Get Keywords(Google Sheets)ノード
設定項目 | 値 |
---|---|
Spreadsheet ID | xxxxx |
Sheet Name | 01 検索 |
Range | A:C |
Options | Return All Rows |
補足解説
- シート1からキーワード一覧を取得。
- 列構成:検索ID / キーワード / 取得要否
- 「Return All Rows」を選択すると全てのキーワードが取得されます。
3-3. Filter Keywords(IF)ノード
設定項目 | 値 |
---|---|
条件 | 取得要否 == “必要” |
補足解説
- 「取得対象」とマークされたキーワードだけを通すフィルターです。
- 無駄なAPI呼び出しを防ぐことで効率的にニュース取得可能です。
3-4. Fetch News(HTTP Request)ノード
設定項目 | 値 |
---|---|
HTTP Method | GET |
URL | https://newsapi.org/v2/everything?q={{ $json[“キーワード”] }}&sortBy=publishedAt&language={{ $env[“NEWS_LANGUAGE”] }}&apiKey={{ $env[“NEWS_API_KEY”] }} |
Response Format | JSON |
補足解説
- News APIから指定キーワードに関連する最新ニュースを取得。
- $env[“NEWS_LANGUAGE”]で日本語・英語ニュースの切り替え可能。
- 実際のレスポンスJSON例:
{
"articles": [
{
"title": "最新ニュースタイトル",
"description": "記事本文",
"url": "https://news.example.com/article1"
}
]
}
3-5. Summarize Article(HTTP Request)ノード
設定項目 | 値 |
---|---|
HTTP Method | POST |
URL | https://gemini.googleapis.com/v1/generateContent |
Headers | Authorization: Bearer {{ $env[“GEMINI_API_KEY”] }} |
Body (JSON) | { “model”:”gemini-2.5-flash”, “inputs”:{“text”:”{{ $json[“description”] }}”}} |
Response Format | JSON |
補足解説
- Gemini APIで記事本文を要約。
- 実際のレスポンスJSONにより、要約を取り出すキー名は変わる場合があります。
- JSONサンプル:
{
"content": [
{
"text": "自動要約されたテキスト"
}
]
}
- Google Sheetsにマッピングする際は$json[“content”][0][“text”]のように指定します。
3-6. Save to Sheets(Google Sheets)ノード
設定項目 | 値 |
---|---|
Spreadsheet ID | xxxxx |
Sheet Name | 02 一覧 |
Operation | Append |
Mapping | 日付 → Today()キーワード → $json[“キーワード”]記事タイトル → $json[“title”]要約 → $json[“content”][0][“text”]URL → $json[“url”] |
補足解説
- JSONキーとシート列の対応を必ず確認。
- 例:要約のキー名はGemini APIのレスポンス構造に合わせる必要があります。
4. ワークフロー接続図(文字版)
Schedule Trigger
↓
Get Keywords
↓
Filter Keywords
↓
Fetch News
↓
Summarize Article
↓
Save to Sheets
💡 実際のn8n画面ではノードをドラッグして矢印で接続します。
IFノードで条件に合致しないキーワードは自動的にスキップされます。
5. 運用のポイント
- Timezone設定はAdvanced Options内で必ず確認
- Gemini APIモデルはmodelsエンドポイントで確認
- News APIのlanguage設定を適切に変更
- Error Triggerノードを追加してAPI呼び出し失敗通知を設定
6. まとめ
本記事では、n8nとGoogle Gemini APIを組み合わせたニュース自動取得・要約・スプレッドシート記録ワークフローを紹介しました。
- ノーコードで構築可能
- 検索ワードをスプレッドシートで管理し柔軟に運用可能
- 日常の情報収集やレポート作成の負担を大幅に軽減
システムの流れ(全体像)
- 検索ワードの設定:スプレッドシートで管理、後で簡単に追加・変更可能
- ニュース取得(n8n):News APIでキーワードに関連するニュースを自動取得
- 要約処理(Gemini API):記事を自動で簡潔に要約
- スプレッドシートへの記録:タイトル、日付、要約、URLを整理して記録
- 運用・活用:スプレッドシートを確認するだけで最新情報把握、日常業務やコンテンツ制作に活用可能
💡 このワークフローを使うことで、ニュース収集・要約・整理を完全自動化でき、情報収集の効率が格段に向上します。