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Affinity V3移行ガイド:縦書きの壁とロゴ商標の落とし穴。プロがAdobeを解約しない「真の理由」とは?

Adobeを解約しない adobe

「Adobeのサブスク料金、もう限界……」

そう感じて、2025年最新のAffinity V3への乗り換えを検討しているデザイナーは少なくありません。しかし、日本語デザインの現場において、移行後に「こんなはずじゃなかった」と後悔するケースがあるのも事実です。

「V3になっても縦書きができないって本当?」「Canvaで作ったロゴは商標登録できないの?」「印刷所でデータが壊れたらどうしよう……」

こうした不安を抱えたまま移行するのは、地図を持たずに未開の地へ飛び込むようなものです。この記事では、最新のAffinity V3事情を踏まえ、移行後に後悔しないための具体的な回避策と、プロが実践するワークフローを徹底解説します。

1. 日本人デザイナー最大の懸念「縦書き」問題

2025年最新のAffinity V3においても、残念ながら公式な「縦書き機能」はいまだに未実装です。現状のステータスは「将来的にはロードマップにあるが、現時点では非対応」という状況が続いています。

これをどう「運用」でカバーするかが、脱Adobe成功の鍵となります。

プロが実践する3つの代替案

  • 代替案①:力技の「改行と文字間」調整
    テキストフレームで1文字ずつ改行を入れ、行間(縦書き時の文字間)を数値で細かく調整します。短いキャッチコピーならこれで対応可能です。
  • 代替案②:Canva側で作成してエクスポート
    実はCanva本体は縦書きに対応しています。見出しなどの目立つ縦書きはCanvaで作成し、Affinityへ配置するワークフローが効率的です。
  • 代替案③:PDF入稿での「アウトライン」活用
    他ソフトで作成した縦書きをPDFとして読み込み、Affinity内で配置・調整します。

【DTP専門家の判断】

ページ全体が縦書きの書籍や雑誌を制作する場合、無理にAffinityで完結させようとしてはいけません。その場合は、Adobe InDesignを単体プランで残すのが、プロとしての最も賢明な判断です。

2. 知らないと危ない「Canva素材とロゴ商標登録」

Affinity V3と親和性の高いCanva Proですが、ロゴ制作においては法的な落とし穴が存在します。

商標登録の禁止ルール

Canvaが提供するイラスト、アイコン、写真などの「素材」を組み合わせて作ったロゴは、商標登録ができません。素材の著作権はCanva(または提供元)にあり、ユーザーが独占権を主張できないためです。

商標登録を可能にする「正解」の作り方

  • Affinity V3で一から描く: 自分で引いたパスデータ(ベクター)であれば、100%自分の著作物となり、商標登録が可能です。
  • フォントのみのロゴ: シンプルな文字ロゴは一般的に登録可能ですが、フォント自体の規約確認(商標登録の可否)は必須です。

3. ファイル互換性と印刷入稿の現実

  • InDesign (.indd): 直接は開けません。必ず.idml形式で書き出してから読み込んでください。
  • 入稿の鉄則: 業界標準のPDF/X-4形式で書き出し、全ての文字をアウトライン化(カーブに変換)することで、印刷事故を未然に防ぎます。

4. 【重要】「あえてAdobeに残る」という勇気ある選択

ここまでAffinityでの解決策を提示してきましたが、プロとしてお伝えしたい「真の理由」があります。それは、「あえてAdobe Creative Cloudを使い続ける」という選択も、プロとしての立派な英断であるということです。

コスト削減のために無理に移行することは、かえってビジネス上の大きな損失を招く恐れがあります。

プロがAdobeを解約しない3つのケース

  1. 縦書きメインの出版・編集業務:
    縦組みの書籍や雑誌制作において、InDesignの「合成フォント」や「禁則処理」の精度は、依然として代替不可能なレベルにあります。
  2. 多人数でのチーム制作・分業:
    協力会社や印刷所とデータを頻繁にやり取りする場合、互換性の確認コスト(時間とストレス)は、サブスク代以上の損失になりかねません。
  3. 「AI機能」による生産性重視:
    Adobe Fireflyを統合した生成AI機能は、ワークフローを劇的に短縮します。この「時間」を投資として買っている層にとって、Adobeは最強の時短ツールです。

結論:あなたは「道具」に使われていませんか?

Affinity V3は自由をくれる素晴らしいツールですが、Adobeは依然として「業界の標準」という安心感をくれます。大切なのは、ソフトに振り回されるのではなく、自分の実務スタイルに最適な「投資先」を見極めることです。

コストを取るか、安定を取るか。どちらの選択も、あなたがプロとして導き出した答えなら、それが正解です。

【今すぐ取るべきアクション】

まずは、自分の直近1ヶ月の仕事を振り返ってみてください。その中に「InDesignでしかできない縦書き」や「AIなしでは時間がかかる作業」はどのくらいありましたか?その割合が30%を超えるなら、Adobeに残るのが「攻めの選択」かもしれません。

この記事が、あなたの決断の一助となれば幸いです。

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