【解決する悩み】 素材を入れたら勝手にフレームレートが固定されて変更できなくなった/縦型動画を作りたいのに黒帯が入ってしまう/色がおかしくなる。
【核心の設定項目】 タイムライン作成前の「マスター設定(解像度&フレームレート)」と「カラーマネジメント(カラーサイエンス)」の最適化。
【メリット】 YouTube通常動画・Shorts・リール・TikTokまで、最初から正しい規格で破綻なく制作をスタートできます。
DaVinci Resolveで新しい動画制作を始めるとき、最も注意しなければならないのが「プロジェクト設定」です。
Premiere Proなど他の編集ソフトと違い、DaVinci Resolveには「一度タイムラインにクリップを配置すると、後からプロジェクト全体のフレームレート(fps)を変更できなくなる」という非常に厳格な仕様があります。
適当な設定のまま編集を進めてしまうと、
* 「24fpsのシネマ風で作りたかったのに、勝手に29.97fpsで固定されて戻せない…」
* 「YouTubeショート用の縦型(9:16)にしたいのに、上下左右に黒帯が入って拡大できない…」
* 「Log素材を読み込んだら、色がくすんだり白飛びして階調が崩れてしまう…」
といった取り返しのつかないトラブルに陥ります。
この記事では、動画編集をスタートする前に必ずチェックすべき「失敗しないプロジェクト設定の鉄則」をわかりやすく解説します。
1. プロジェクト設定画面の開き方と全体構造
プロジェクト設定は、画面右下の「歯車アイコン(⚙)」をクリックするか、ショートカットキー Shift + 9 でいつでも開くことができます。
主に設定するのは以下の3つのセクションです。
| 設定セクション | 主な設定項目 | 重要な理由 |
|---|---|---|
| 1. マスター設定 | タイムライン解像度、フレームレート、再生レート | 動画の画質・アスペクト比・滑らかさを決定(後から変更不可の項目あり)。 |
| 2. 画像スケーリング | 入力スケーリング(アスペクト比の処理) | 異なるサイズの画像や動画を配置した際の黒帯(レターボックス)処理を制御。 |
| 3. カラーマネジメント | カラーサイエンス、タイムラインカラースペース | Log素材やHDR素材の色味を破綻させずに正しく発色させる土台。 |
2. 最重要!タイムラインフレームレートの固定ルール
DaVinci Resolveで最も初心者が引っかかる罠が「タイムラインフレームレート」です。
【超重要ルール】
素材をメディアプールにドラッグ&ドロップした際、「クリップのフレームレートを変更しますか?」という警告が出ます。
ここで【変更】を押すと、素材のフレームレートにプロジェクト設定が強制固定されます。
用途別おすすめフレームレート
- 24.000 fps / 23.976 fps(シネマティック): 映画のような独特の空気感・フィルム感を出したいVlogやプロモーション映像。
- 29.970 fps / 30.000 fps(標準動画): YouTubeの解説動画、ビジネス動画、テレビ番組調の標準的な滑らかさ。
- 59.940 fps / 60.000 fps(高フレームレート): ゲーム実況、スポーツ、ダンスなど激しい動きを極めて滑らかに見せたい動画。
※注意: プロジェクト作成後、タイムラインを1本作ってしまうとこの設定はグレーアウトして変更できなくなります。必ず「タイムラインを作る前」にマスター設定で希望のfpsに設定してください。
3. 横型(16:9)と縦型ショート(9:16)の設定方法
YouTube通常動画(横型)と、YouTube Shorts / Instagramリール / TikTok(縦型)では、解像度の設定が異なります。
| 動画フォーマット | タイムライン解像度 | 縦横比(アスペクト比) | 設定のワンクリック手順 |
|---|---|---|---|
| YouTube通常(フルHD) | 1920 × 1080 | 16:9(横型) | タイムライン解像度で「1920×1080 HD」を選択。 |
| YouTube通常(4K) | 3840 × 2160 | 16:9(横型) | タイムライン解像度で「3840×2160 Ultra HD」を選択。 |
| Shorts / リール / TikTok | 1080 × 1920 | 9:16(縦型) | 「垂直解像度を使用(Use vertical resolution)」にチェックを入れるだけ。 |
DaVinci Resolveでは、「垂直解像度を使用」にチェックを入れるだけで、一発で縦型動画(1080×1920)のプレビュー&タイムラインへと切り替わります。
4. 異なるサイズの素材を綺麗にフィットさせる「画像スケーリング」
4K素材をフルHDのタイムラインに置いたり、縦型動画に横型素材を置いた際、どのように画面に合わせるかを設定します。
【設定手順】
1. プロジェクト設定 ➔ 「画像スケーリング」を開く
2. 「入力スケーリング」のプルダウンを選択
- クロップなしで全体を表示(Scale entire image to fit): 全体を収めて黒帯を付ける(デフォルト)
- アスペクト比を保持してクロップ(Scale full frame with crop): 画面いっぱいに拡大して余白を埋める
縦型Shorts動画を作る際は、「アスペクト比を保持してクロップ」にしておくと、横型素材を置いた際にも自動で左右がトリミングされて画面いっぱいに広がるため編集効率が劇的に上がります。
5. カラーマネジメント(Color Science)の基本設定
色補正やカラーグレーディングを正しく行うための設定です。
- 標準設定(Standard):
- カラーサイエンス:
DaVinci YRGB - タイムラインカラースペース:
Rec.709 (Scene)またはRec.709-A(Mac向け) - 一般的なスマホ撮影や一眼カメラの通常プロファイル(SDR)を扱う場合は、この標準設定でOKです。
- 自動カラーマネジメント(Color Managed / Log撮影向け):
- カラーサイエンス:
DaVinci YRGB Color Managed - 「自動カラーマネジメント」にチェックを入れ、カラー処理モードを「SDR」または「HDR」に設定。
- Sony S-Log3やCanon C-LogなどのLog素材を読み込んだ際、手動で複雑なLUTや変換を当てなくても、自動で美しいRec.709の色域へマッピングしてくれます。
まとめ:最初の30秒の設定が、編集のすべてを決める
DaVinci Resolveのプロジェクト設定は、一度理解してしまえばわずか30秒で終わる作業です。
- タイムラインを作る前に「フレームレート(24 / 30 / 60fps)」を確定する
- Shorts・リールを作るなら「垂直解像度(9:16)」にチェック
- Log素材を使うなら「DaVinci YRGB Color Managed」を活用
編集を始める前のこの一手間を惜しまないことで、書き出しの瞬間まで一切のトラブルなく快適に制作を進めることができます。ぜひ次のプロジェクトから実践してみてください。