動画編集を始めたばかりの方にとって、意外とつまずきやすいのが「映像と音声の同期作業」です。
とくに外部マイクで録音した高音質な音声をあとから映像に合わせる場合、ズレてしまって違和感が出ることも。
この記事では、Adobe Premiere Proを使って、
- 映像と音声を自動で同期させる方法
- 手動での同期テクニック
- プロも使う裏技
まで、初心者にもわかりやすく丁寧に解説します。
これを読めば、ズレのない快適な動画編集がすぐに実現できます。
映像と音声がズレる原因とは?
まずは、なぜ映像と音声がズレてしまうのかを簡単に理解しておきましょう。
主な原因3つ:
- 音声と映像の録音開始タイミングの違い
- カメラと外部録音機器で録音を始めたタイミングがズレる
- サンプリングレートの不一致
- 映像は48kHz、音声は44.1kHzなど
- Premiere Proでは48kHzが推奨です(録音時に確認を)
- 録音デバイスのフレームドロップやバグ
- 特にスマホ録音や古いICレコーダーで発生することがあります
準備しておきたい素材と設定
必要な素材
- カメラで撮影した映像ファイル(内部マイクの音も含む)
- 外部マイクなどで別録した高音質の音声ファイル(WAVやMP3など)
録音時の注意点
- サンプリングレートを48kHzに設定
- 映像編集では業界標準が48kHz
- 44.1kHz(CD音源など)ではズレが生じやすいため非推奨
自動で同期する方法(複数素材の一括同期にはマルチカメラ編集が便利)
方法①:タイムライン上で「同期」機能を使う
- 両方のクリップを選択
- 右クリック →「同期…」を選択
- 「オーディオ」を基準にしてOK
Premiere Proが音声波形を分析し、自動で位置を合わせてくれます。
簡単かつ高精度なので初心者にもおすすめです。
方法②:マルチカメラソースシーケンスを作成
複数台のカメラ+音声を使った映像に便利な方法です。
- 全クリップを選択
- 右クリック →「マルチカメラソースシーケンスを作成」
- 同期方法を「オーディオ」に指定
- 自動で1つのマルチカメラ素材に変換されます
ポイント:
- タイムライン上で切り替えながら編集できる
- YouTube撮影やインタビュー素材に便利
手動で同期する方法(細かい調整やノイズが多い時に)
自動同期がうまくいかない場合や、微妙な調整が必要なときには、以下の手順で手動同期を行います。
方法①:波形を見ながら手で揃える
- 音声と映像の波形をタイムライン上で拡大
- 音声波形のピーク(例えば「パンッ」などの音)を基準に揃える
- 拡大してタイムライン上で目視チェック
方法②:1フレームずつ動かして調整
- Windows:
Alt + → / ←
キー - Mac:
Option + → / ←
キー
裏技:映像内の動作と一致しているかを目視で確認
例:口の動きとセリフが一致しているか、手拍子や手を叩く瞬間と音が一致しているかを見ながら微調整
同期後にやっておくと良いこと
映像と音声をリンクする
- 両方を選択 → 右クリック →「リンク」
- 移動や編集の際にずれないように固定しておく
元の音声をミュート or 削除
- 内蔵マイクの音声は品質が悪いので削除またはミュートに
音ズレが起きていないか再生確認
- 特に映像後半でずれていないかチェック(録音ミスや異なるサンプリングレートが原因でズレていく場合あり)
よくあるトラブルと対処法
トラブル内容 | 原因 | 対処法 |
---|---|---|
自動同期できない | 音質が悪く波形が認識されない | 手動同期へ切り替え |
再生で徐々に音ズレする | サンプリングレートの不一致 | 録音設定を48kHzに再調整 |
音声が途切れる・ズレる | WAV/MP3ファイルの破損やコーデックの問題 | 別ソフトで変換しなおす(Audacityなど) |
まとめ:映像と音声の同期は「準備と確認」がカギ!
- 録音時点でサンプリングレートを48kHzに設定
- Premiere Proの自動同期機能(同期 or マルチカメラ)を活用
- 波形が認識されない場合は手動で微調整もOK
- 同期後はリンクして固定・確認してから編集開始
正しく同期されていれば、編集作業は格段にスムーズになります。
ぜひ今回のテクニックを取り入れて、動画編集のクオリティと効率をアップさせましょう。